古い日記2010/08/04

暗雲に覆われた空(カメラで)
私にとって8月は昭和20年の記憶が心の奥底から浮かびあがってくる鎮魂の月だ。
2回の原爆投下、15日の敗戦の日。
戦争による多くの犠牲者のことを思い出し悼みの念を捧げる。
決してあの戦争の事を忘れてはいけない、2度と繰り返してはいけないと心に誓う。
もう敵も味方も無い、皆が愚かな戦争の犠牲者だ。 その尊い命から得た教訓をしっかり心に刻んでいよう。

古い小箱から変色した当時の日記を出して見た。
気紛れに飛び飛びにしか書かれてない日記だが昭和20年8月のところを開いてみた。

八月七日(火曜日)
 太陽が輝く
 私は
 あのさんさんとふりそそぐ光をあびて
 終日 まばゆい 青空をながめて 寝ころんでいたい
 私は
 あの光のもと ギラギラ きらめく
 海の面を みつめながら 終日 真白い
 防波堤に こしかけていたい
 何もかも 忘れてしまひたい
 真夏の 太陽のもと

日々の雑事に追われ希望を無くして悶々としていた或る日の一節。
 此の頃 過去がなつかしくなって来たの
 まだ十九なのに 
 思い出に生きるには ちょっと 早すぎるのに
 希望と理想に生きたいと思ひつつも
 昔の事が思ひ出されてたまらないの

敗戦直後の日記には
 ジャリのような絶望
 今日も一日、 また一日
 絶望と不安の中に
 こんな荒んだ気持ちで 私の一生は終わるのか
 死の恐怖がひしひしと身にせまる

日記を拾い読みしてその暗さに驚いた。
結構悩んでいたんだ。 それを人に知られる事はプライドが許さないとも書いている。
若さに悩みは付き物だ。 今読めば我ながらいじらしい感じ!
そのうち 焼くわけにいかないからシュレッダーにでもかけて始末しよう。 数えで十九歳の私が恥ずかしがるだろうから。