「アホの壁」を読んで2010/02/24

貝

筒井康隆氏の新著「アホの壁」を読みたいと思ったが隣町まで行かないと書店がない。 
数日して例の整形医院に注射に行った時、その近くの書店で求め、待合室で第一章を読み終えた頃に順番がきてしまった。
こんなときに限って空いてるんだから   ン もう!

表紙の帯に大きく 
  人間は、考えるアホである。
と記されている。 上手い! と感心しながら笑ってしまった。
  人間は、考える葦である
  人間は、考えるアシである
  人間は、考えるアホである
他に使えるのがあるかなと50音字を思い浮かべたが、さまになるのはアホだけだった。 こんなことに拘る自分は立派にアホの範疇だ。
その横の筒井氏のお顔の表情がぴったり。

さて 内容だが 易しいようで難しい。 奥が深いから戸惑うけれど、歯切れよくたたみこまれて、まったくその通りと教えられ、終いには頷ずいていた。

実は最初の方でフロイトの名前がでてきた時、私の中のフロイトは、半世紀も前に読んだ時の、女の子の心理についての考察が納得いかなかったことだけが印象に残っていた。
若かったからフロイトのどこまで理解出来ていたか? やたらと長い難かしい言葉がでてきて困ったっけ。 今読んでも無理だと思う。

「アホの壁」を読み進むうちに、もう自分の心理や身近に感じていたことが明快に分析されてナルホドと思った。
実に楽しく読んで、後味爽快だ。  もう一度じっくり読み直してみよう。


「アホの壁」 筒井康隆著  新潮新書  2010年2月20日 発行