猫の思い出2010/02/20

子猫(子犬ではありません)

世の中、犬派と猫派がいると昔聞いた覚えがある。
犬派は、猫の自己中の忠誠心の無さがイヤと言うし、猫派はその自由さが好きだそうだ。

前にも書いたが、生まれた時から犬は我が家の一員だったから兄弟同様いるのが当たり前で犬派という感覚はなかった。
が、猫には縁がない。 友達の間でも猫がいる家はなかったように思う。
子ども心に 炬燵→猫→おばあさん という印象があった。

その我が家に突然、猫が現れた!
小学校の何年生のときか、女学生になっていたかも、学校から帰ってきたら玄関わきの松の木に猫が駆け上っている!
母が貰って来たのだそうだ。 三毛猫ですぐに懐いてカワイイ。
撫でると毛の柔らかさが犬とは違う。
母は生家に猫がいたらしい。 そういえば おばあさんッ子だっと聞いたことが有る。
この猫は 姉の発案でで「ネコ」と名付けられた。

このネコの出現は平和な我が家に小波をたてたらしい。
消息通の姉の話では、父は大の猫嫌いで、それまで母が飼いたいと言っても許さなかったそうだ。
当時犬は外で飼うからいいが猫は不潔だと言う理由だが、どうも父は犬派だったようだ。
たまりかねて母が無断で貰って来た。
姉の話では両親は三日間、口をきかなかったとか。 私は全然気付かなかった。
ネコは、お構いなく父が夜に茶の間でくつろげば必ず父の膝にあがって丸くなっていた。
父も子どもの手前、仕方なく苦笑しながら
「わしは弄らないから居心地がいいのだろう」
と言ったりしてるうちに父母の冷戦は収まったようだ。

その後のことは全く記憶にない。 私もやはり犬派のようで代々のエリとテスのことははっきり覚えているのだが。

今、思い出した。 戦後、父が亡くなったあとに母は、また三毛猫を貰ってきて可愛がっていた。 淋しかったのだろう。
2~3年して突然その猫の姿が見えなくなり母と私は近所を捜しまわったが見つからない。 とお隣の方が「うちの納屋にいましたよ」と知らせてくださった。 
納屋の隅の藁の上で丸くなって死んでいた。
犬の最後は飼い主の見守る中で息をひきとるのに、猫は最後まで自立している。 
小さな箱に花をイッパイ入れて葬った。