平山郁夫回顧番組を見て2009/12/13

日本画習い始めの頃の絵。s.16.11
今朝の「新美術館」は平山郁夫回顧で2年前の再放送だった。
お元気そうで大作に取り組んでられる様子や、シルクロードへの熱い想い、そこで出逢った人々、遡って原爆投下時の生々しい体験などを穏やかな口調で話されていた。 大家になられても権威ぶらない素敵なお人柄だと感心する。

長い間原爆の絵は描けなかったその想い、そして数十年経てやっと描かれた広島被爆の絵は、下のほうに黒い廃墟が描かれ、あと一面は紅蓮の炎に包まれている。 右上によく見ると真っ赤な不動明王の半身が悲しみと憤怒と憐憫の混ざった表情でじっと見おろしている。 悲しくも美しい素晴らしい絵でした。

昔から私は1959年に院展に出品された「仏教伝来」が好きだった。 中学生のときの原爆体験が絵の原点でもあり、その初々しい想いがジーンと伝わって来るようで。
番組の中で、その後の作品の「入涅槃幻想」を久し振りに見た 精神性が高くて見てるとじわーっと感動が広がる。 

シルクロードに毎年行かれた時の膨大なスケッチにため息がでた。現地の老いた男性の目の優しさが哲学的ですらあって感銘をうけたな。

画集ではわからない、いい番組を見せてもらいました。